コラム
2019年11月
1並び
この日や令和1年5月1日付の商業登記の手続依頼が集中したのを鑑みると、改めて経営者の方は日取や六曜にこだわりをお持ちの方が多いことを実感します。
預貯金の払戻し制度の創設
改正前は、遺産分割が終了するまでの間は、相続人単独では預貯金の払戻しができませんでした。
・生活費や葬儀費用の支払いができない。
・相続債務の支払いができない。
資金需要がある場合にも、遺産分割が終了するまでの間は、被相続人の預貯金の払戻しができず、相続人の負担の重いものでした。
そこで改正法により
預貯金が遺産分割の対象となる場合に、各相続人は、遺産分割が終わる前でも、一定の範囲(金額による上限あり)で預貯金の払戻しを受けることができるようになりました。
・単独で払戻しができる額の計算方法は
相続開始時の預貯金の額(口座基準)×1/3×当該払戻しを行う共同相続人の法定相続分
(例)
被相続人父X 相続人母Y 長男A 二男B
法定相続分 Y 2/4 A 1/4 B 1/4
預金1,200万円
長男Aが単独で払戻しできる金額は
・1,200万円 × 1/3 × 1/4 = 100万円
※ただし、1つの金融機関からの払戻しが受けられるのは、150万円までです。
この機会に、相続のご準備、実際の相続発生時のお手続きなど、お手伝いできることがございましたら、是非ご相談下さい。
自筆証書遺言の方式緩和「財産目録」
改正前は、遺言書の全文を自書する必要がありました。
「財産目録」も同様です。
・パソコンで財産目録を作成することができない。
・通帳のコピーを添付することもできませんでした。
遺言書を作成するものにとって「財産目録」の手書きは負担の重いものでした。
そこで改正法により、自書によらない「財産目録」の添付が可能になり
・パソコンで財産目録を作成することができるようになりました。
・通帳のコピーを添付することもできるようになりました。
財産目録には、署名押印をしなければならないので、偽造も防止できます。
来年、令和2年(2020年)7月10日からは、法務局による自筆証書遺言の保管の制度が施行されます。
この機会に、相続のご準備、実際の相続発生時のお手続きなど、お手伝いできることがございましたら、是非ご相談下さい。
本人申請におけるリスク
雛形に当てはめれば、大抵の登記は本人でも申請することが可能です。しかし、実態に踏み込んだ判断や税金への判断をないままに登記を行うと、結果的に今回のように後日トラブルに直面することが起こりえます。